日本や世界が直面する複雑かつ多層的な社会課題の解決に向け、NPOやNGOを始めとするソーシャルセクタ―の重要性が高まっています。しかし、これらの組織が社会でその力を発揮するためには未だ課題が多く、よりサステナブルに、より大きな社会的インパクトを生み出すために、広い視野でのマネジメントスキルと高い視座でのマインドセットを持つ先導的人材の育成・強化が必要です。また、政府や企業などの理解や取組の深化や、クロスセクターでの連携も求められてきています。

「慶應ノンプロフィットリーダーズ・プログラム」(Keio LEAP for Nonprofit)は、NPOの経営を担うマネジメント層をはじめ、企業や行政の関連業務等の担当者を主な対象に、大学院レベルの教育実績等を活用したソーシャルセクターの先導的人材の育成を主眼とするものです。そのパイロットプログラムを2025年9月より開講し、好評を博してまいりました。

2026年4月からは、広範に体系立てられたカリキュラムと国内外へのフィールドスタディを含む約1年間のフルプログラムとして本格的に始動し、個々の組織力およびソーシャルセクタ―全体の飛躍を目指します。

プログラムの特徴

クロスセクター連携の推進
企業のCSR担当者、行政の協働担当者、中間支援組織の職員など、多様な受講者を受け入れることで、産官学民を行き交うクロスセクターの知見・人材・組織の交流を促進するプラットフォームを構築し、社会変革を実現するエコシステムを実現・強化することを目指します。

大学院レベルの教育実績等の活用と実務家の知見を融合したサーティフィケート・プログラム
慶應義塾大学の研究者をはじめとして、企業経営や非営利組織に関して理論的なバックグラウンドを持つ研究者が参画し、大学院レベルの教育実績等を活用するとともに、NPO等の経営実績を持つ実務家の知見を融合したサーティフィケート・プログラムを提供します。

米国のNPOや教育機関との連携
米国のNPOや教育機関と連携したフィールドスタディに参加できます。また、実績豊富な米国の研究者を招いた講義や、国内外のNPOとの相互交流も予定しています。

プログラムのゴール

本プログラム修了生の一人ひとりが、マネジメントスキルの向上を通じて自らの組織を飛躍させられるようになるともに、組織やセクターを越えて社会変革を実現するクロスセクターのプラットフォームに参画し、日本のソーシャルセクタ―全体の先導的人材として活躍すること

プログラムの対象者

  • NPO等の非営利組織のマネジメント層(または事業承継候補者)
    →主なニーズ:組織基盤や財務基盤を強化し、事業や活動を次のステップに発展させたい(LEAPしたい)
  • 企業のSDGs、CSR等、社会的価値創出・連携を担う担当者
  • 行政の関連業務担当者
  • 中間支援組織の担当者
    →主なニーズ:ソーシャルセクターとの連携を深化・強化したい
慶應ノンプロフィットリーダーズプログラム
慶應ノンプロフィットリーダーズプログラム
慶應ノンプロフィットリーダーズプログラム

受講生の声

三島 理恵

三島 理恵

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
理事長

山下 千景

山下 千景

特定非営利活動法人国境なき医師団日本
財務部シニアオフィサー

永井 巧

永井 巧

一般社団法人そっか
代表理事

一木 典子

一木 典子

サントリーホールディングス株式会社
CSR推進部長

三浦 雅央

三浦 雅央

公益社団法人経済同友会
政策調査部プログラム・オフィサー

三島 理恵

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
理事長
特定非営利活動法人新公益連盟
共同代表理事

変化の局面にある方や、自身の実践を一段深めたいと願う方にぜひおすすめしたいプログラムです。
経営体制の変更と理事長就任という、組織と私自身のキャリアの節目にあたり、迷いや戸惑いを抱える中で、理念と実践をどう次のステージにつなぐかを改めて整理し、同じような状況や問いを抱える仲間と出会いたいと考えて参加しました。
プログラムを通じて、非営利組織の経営を個人の経験や想いのみに頼るのではなく、社会の変遷やセクターが歩んできた文脈を踏まえ、戦略、ガバナンス、インパクト評価といった共通言語で捉える視点を得ました。特に、同じ時代に生まれ、より良い社会を目指して実践を重ねてきた同志との対話は、社会を多面的に理解し、自組織の課題を相対化しながら、意思決定の方向性や軸を明確にする重要な学びとなりました。
これらの学びは、組織運営やクロスセクターとの協働において、より長期的かつ構造的に考える姿勢として日常業務にも生きています。また、自身がどのようなリーダーシップを発揮していきたいのかを、立ち止まって問い直す機会にもなりました。

山下 千景

特定非営利活動法人国境なき医師団日本
財務部シニアオフィサー

0期を受講し、考えたことがなかった思考、自分にはなかった価値観などを思い知らされ、とても痛気持ち良い刺激でした。社会課題に日々向き合っていると、どうしても足元の「今、この課題を解決すること」にフォーカスしがちです。しかし社会課題を解決し続けるためには、変化に適応する力や、自らを客観視する目線が不可欠です。
Keio LEAP for Nonprofitは、その課題に対する近視的な遮眼帯を外し、額を引き上げ、本来見るべきその「先」を示すプログラムでした。まさにサン=テグジュペリの言う「船の造り方」ではなく、具体的で説得力のある「海への憧れの伝え方」を学ぶ場です。また同時にKeio LEAP for Nonprofitは、同じように課題を見据える立場の方々と出会える場でもあり、励まし、背を押し、手を持ってひきあげくれる存在でもあります。
今の社会課題の解決方法だけではなく、未来を見据える視座を養い、周囲を動かす力を身につけたい方に最適なプログラムだと思います。

永井 巧

一般社団法人そっか
代表理事

個人事業から6年、法人化して10年。逗子で海や自然と子供たちをつなぐ役割を担ってきましたが、運営は場当たり的な面もありました。
組織の持続可能性や自身の役割を模索し受講しましたが、当初あった「活動の独自性が高く一般化できない」という思い込みは、分野を越えた共通課題を学ぶ中で解消され、視座が高まりました。 おかげで活動を俯瞰し、想いを深く内省・整理できました。
隔週実施の受講日は毎回とても楽しみだったのですが、講師陣に加え、NPOや企業など多様な背景を持つ熱い「同志」との出会いは宝物でした。行政や企業との連携が進む今、海や森などの自然環境やスポーツ分野の方々にも、新たな視点を得られるこの場への参加を心からおすすめします。

一木 典子

サントリーホールディングス株式会社
CSR推進部長

サントリーでは、NPOと協働し、困難に直面する子ども・若者を支援する次世代エンパワメント活動「君は未知数」を推進しています。社会課題が複雑化し、多様なセクターの連携が一層求められるなか、セクター間の相互理解と共通言語が不可欠だと感じていたので、迷わず応募しました。
プログラムは、非営利活動に関する理論、各分野の第一人者による実践知、さらにはProject Based Learningやケースメソッドを通したディスカッション等、毎回が待ち遠しいほど、ワクワクする学びに満ちていました。さらに、企業セクターで社会課題解決や社会的価値の創出を担う者として、「コレクティブインパクト3.0」やBeyond GDP・SDGsに関する議論等、業務に直結する重要な概念・最新動向に触れられたこと、本音を語り高め合える仲間と出会えたことは、大きな財産です。
このプログラムの趣旨の実現には、非営利セクターと連携し、創造的に社会的価値の創出を目指すビジネスリーダーの参画が欠かせません。ご自身の経営視点とセクターを超えた協働力を磨く絶好の機会として、ぜひ、飛び込んでみてください。

三浦 雅央

公益社団法人経済同友会
政策調査部プログラム・オフィサー

所属する経済団体で経済界とソーシャルセクターの連携事業を担当する中で、ソーシャルセクターに対する理解をさらに深めたいと考え、Keio LEAP for Nonprofitに参加しました。個々の組織やセクターで解決できる社会課題が限られる中、セクターを越えて連携・協働できるトライセクター人材に対する期待、ニーズは高まっていると実務を通じて感じています。しかしながら、企業の中に、セクターを越えて「共通言語」を話せる人材は限られているのではないでしょうか。
Keio LEAP for Nonprofitは、研究者や実務家による講義を通じてソーシャルセクター、NPOに対する理解を深められるだけでなく、豊富な実務経験を有する受講者とのフラットな対話を通じて実践的な学びを得られる貴重な場であり、慶應義塾が掲げる「半学半教」を体現するプログラムだと思います。
企業の中でNPO等との連携を担当する方、政策渉外等を担当する方などセクターを越えて活躍されたい企業人にも是非受講いただきたいと思います。

FAQ

オンラインで受講できますか?

対面での議論と交流を重視するプログラムのため、オンライン開講は致しません。ただし、止むを得ない事情で授業を欠席される場合は期間限定でアーカイブ動画を提供します。(欠席扱いとなります)

講義外での事前・事後学習は必要ですか?

実践研究プロジェクトはグループワークとなるため、議論や研究の進捗状況によっては課外でのグループミーティングやリサーチが発生します。また、講義内容によってはケース教材(A4数ページ程度)の通読やセルフワークが求められる場合があります。総じて、講義外のワークロードは多くありませんが、主体的な学びを歓迎するカリキュラムとなっています。

TA(ティーチング・アシスタント)制度で想定される業務や経済的支援はどのような内容ですか?

選考を通過した方に開講前までにご案内いたします。あくまで補助的なものとお考えください。

フィールドスタディの詳細は決まっていますか?

第1期のフィールドスタディは、8月下旬に関西、9月中旬にサンフランシスコへの訪問を予定しています。詳細は選考を通過した方にご案内いたします。

関連リンク

慶應クロスセクター・プラットフォーム(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI))

慶應義塾大学プレスリリース(2025/05/29)
NPOの先導的人材を対象とする「慶應ノンプロフィットリーダーズ・プログラム」(KEIO LEAP for Nonprofit)のパイロットプログラムの受講者募集を開始します

三田キャンパス北別館プロジェクト(慶應義塾大学大学院経営管理研究科)
社会とともに未来の課題に挑む「知の創造拠点」として 三田キャンパス北別館プロジェクト始動